宮家からのお迎えは約束の時間通りにやって来た。
黒塗りの高級車。
戸惑って足が動かない私に、菅原さんがドアを開けてくれた。

「ありがとうございます」
私は車に乗り込み、菅原さんが父さんとしばらく話をしてから出発した。

さすが高級車。乗り心地は最高。
座席はゆったりしていて、音も静か。
都会の喧噪など全く聞こえてこない。
静かすぎて気持ち悪いくらい。


「虹子様。もうすぐ到着いたします」
「はい」