トントン。

「虹子」

夕食も終わった時間。

帰宅した哲翔がドアをノックした。


「お帰りなさい」

ドアを開け、顔を出す。

「お土産だ」

ん?

手にしていたのはコンビニの袋。


「何?」

中をのぞくと、湯気を出した肉まんが入っていた。


「嫌いか?」

驚いている私を、哲翔が見ている。

「好きよ。実家にいた頃はよく食べたから」

「ふーん」


その後、許しを請うこともなく哲翔は私の部屋に入りソファーに座り込んだ。