年末。

大掃除や新年の準備で高宮家もザワザワしている。



「おはよう」

「あぁ、おはよう」

なぜか焦った顔をした哲翔。


ん?

どうしたんだろう。


「出かけるの?」

「ああ」


ふぅーん。

こんなに早く出かけるなんて珍しい。

どこ行くんだろう。


「夕方には帰るから」

「うん」


哲翔の態度からは、「聞かないでくれ」って空気が漂っている。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」