虹色シンデレラ

どこから見られているかわからない停車中の車の中で、酔っ払ってアルコール臭い私。

その口づけに優しさや愛があれば、まだよかった。

でも、

怒りの気持ちと、嫌悪しかない。


悔しくて悔しくて、涙が止まらない。


そんな私のせめてもの抵抗が、

「咲良さんにもこんなことするの?」

投げかけた言葉。


悲しそうな顔をする哲翔。


今の私には気遣ってあげる余裕はない。


二人とも口を開くことなく、車は高宮邸に向かった。