「もー、お母様が驚いていたじゃない」

部屋に戻り文句を言った。

「いいじゃないか。俺たちが仲良くしていた方が、母さんの機嫌もいいだろう?」

「それは、そうだけど」

確かに、最近のお母様は私に優しい。

「おかげで今日も出かけられる。だろ」

ああ、そうだった。

今日はバイト先の少し早い忘年会。

もちろんバイトは高宮の家に越してきたときにやめたけれど、今日は送別会も兼ねているからと誘われて断れなかった。


「ほら、時間だぞ」

そうでした。

「遅くなるようなら連絡するから」

「ああ。楽しんでこい」

「はーい」


開始時間は午後7時。

近くの駅まで宮家の車で送ってもらい、未来と一緒に行く約束になっている。


「行ってきまーす」

私は哲翔に手を振った。