夜中になっても哲翔さんが帰ってくる様子もなく、
私自身も眠れないまま、いつの間にか朝を迎えていた。



トントン。

「おはようございます」

いつものように、乃梨子さんに起こされた。


「おはようございます」

頭がボーッとしたまま、寝室を出る。


「お休みになれませんでしたか?」

眉を寄せた乃梨子さん。


「まあね」


この状況で爆睡できるだけの心臓は持ち合わせていない。

きっと、哲翔さんも咲良さんも眠れていないはず。


ふああぁあ。

大きなあくびをしたとき、


「失礼いたします」

菅原さんがドアを開けた。