「・・じ・・こ」

ん?

「・・・にじこー」

んんん?


どこかから私を呼ぶ声。


キョロキョロと見まわしてみる。

繁華街だけに周囲は通行人で溢れている。



「虹子。止まれー」

通行人が足を止めてしまうくらいの怒鳴り声が背後から聞こえた。


恐る恐る後ろを振り返る。


「え、どうして」

すごいスピードで走ってくるのは、意外な人物だった。