1人ホテルを出て、街をブラブラ。

行くあてもなく、さまよい歩いていた。


プププ プププ。

鳴りやむことのない携帯の着信。


電話には出ることなく、カバンの奥にしまい込んだ。


きっと心配しているんだろうな。

それはわかっている。

でも、今はちょっと無理。

私はもう限界だから。

気付かないふりして、笑顔でなんていられない。


プププ プププ。

鞄の底からの振動が鳴りやまない。