理由はどうあれ外に出られるのはうれしくて、私も身支度を始めた。


「で、どこに行くの?」

さすがに目的地によっては服が違ってくる。


「おしゃれをする必要はない。裏庭に出るくらいの格好でいいぞ」


裏庭って、言われても・・・



「ちょっと逃げ出そう。少し、疲れた」

そう言った哲翔さんの顔は寂しそうだった。


「いいわ、行きましょう」

たまには二人もいいかも。


なにしろ、私たち許嫁なんだから。