虹色シンデレラ

部屋に向かう廊下で急に足を止め、私を振り返った哲翔さん。

「何のつもりだ」

怒りを含んだその声に、私はムッとした。

「何って、ただ庭を散歩しただけじゃない。悪いの?」

「ああ悪い。昨日まで寝込んでいた奴が、フラフラと外を出歩くな」

「外って、自分の家の庭よ」

ちょっと気分転換をしていただけ。

何を怒る必要があるのよ。


「まだ本調子じゃないはずだろう。少しは用心しろ。それに、いくら裏庭だって誰に会うかわからないんだ。外に出るときにはちゃんと着替えろよ」

はあ?

今の私の格好といえばジャージにパーカー。

もちろんきちんとしていると言うつもりはないけれど、非難されるような格好でもないと思う。

「お客様と会うわけでもないんだかから、問題ないと思うけれど」

さすがに私だって、お母様やお父様に会うとなればもう少しちゃんとした格好をする。

でも、たかが裏庭。

そう思って顔を上げると、怒ったような顔の哲翔さんと目があった。