お母様を怒らせてしまい、外出禁止になった私。

動かないせいなのか、ストレスのせいか、日に日に食べられなくなった。

さすがにおばあさまやお母様の前ではごまかしているけれど、部屋に帰ると戻してしまう。

そのうち、フラフラと眩暈までしてきて・・・



「虹子様、何か食べたいものがあればおっしゃってください」

元気のない私に、乃梨子さんも気を使ってくれている。

「ありがとう、でも大丈夫。たまった疲れが一気に出ただけだから」

「本当ですか?お医者様に見ていただいた方が」

「平気です。診察が必要なら自分から言いますから」

「ですが・・・」

ここ数日乃梨子さんと私の会話はこればっかり。


心配してくれているのはよくわかっている。

でも、お母様の耳に入れば余計に機嫌が悪くなりそうだし。

哲翔さんに連絡されたくもない。


「明日には哲翔さんも帰ってくるから、それから受診を考えますね」

「わかりました」

不満そうに、それでも乃梨子さんは納得してくれた。