まず未来を自宅に送り届け、次は私。


近くのコンビニでいいよって言ったのに、祐介くんの車は高宮邸の門を入って行った。

「本当にここでいいよ」

必死に止めたけど、

「ここからじゃあ玄関まで距離があるだろう？」

「それはそうだけど・・・」



祐介くんに押し切られた形で、玄関が見えるところまで送ってもらって、

「ありがとう。すごく楽しかった」

「うん、またな。おやすみ」

車を降り、玄関まで猛ダッシュ。

その間に祐介くんの車も帰って行った。



「お帰りなさいませ」

えっ。

いきなりかけられた声に驚いた。


「の、乃梨子さん。ずっとここで待っていたんですか？」

「はい」


乃梨子さんは何も言わない。

きっと言いたいことはあるだろうに。


「・・・すみません」


申し訳ない気持ちを抱えながらながら、私は自分の部屋に向かった。