その日の夕方、私は駅に向かっていた。
本来ならバイトの休みの日。
こんな時間から出かける必要は無かった。
でも、家にいたくなかった。


実は、あれからもう1つ話しを聞かされた。
それは私の学費のこと。
正直、我が家は裕福ではない。
父も母も働いてはいるけれど、そんなに余裕がないのは分かっていた。
高校を卒業するとき、私は就職を考えた。
少しでも早く働いて自立したかった。でも、両親は反対した。

『女性だからこそ、手に職をつけなさい。自立できるだけのスキルを持ちなさい』と説得された。

確かあの時、『曾おばあさんは頭のいい人だったけれど、お金がなくて勉強を続けられず悔しい思いをした。だから学費は用意してある。お前は遠慮せずに大学に行きなさい』と言われ驚いた。
それが・・・
まさか高宮家からの援助だったなんて・・・