「ねえ、哲翔さん」

父さんの誕生日1週間前。

夕食が終わって部屋に向かう廊下で、哲翔さんに声をかけた。


「何?」

「あのね、来週の日曜日って父の誕生日なの。それで、プレゼントも渡したいし、せっかくだから泊まりに行きたいんだけれど」

「えっ」

なぜか、哲翔さんの動きがフリーズした。



しばらく沈黙があった。



「どうしたの?」

私が変なことを言っただろうか?


「悪いけれど、それはできない」

「はあぁ?」

思わず大きな声を上げてしまった。