「何笑ってるの?」

ええっ。

誰もいないと思っていたところにいきなり声が掛かり、私は驚いた。


ここは宮家の敷地内で、それもかなり奥まったところ。

お客様は入って来ないような場所。

それなのに、


「こんな所で何してるの?」

どこかで聞いたことのある声に、息をのんだ。


そして、ゆっくりと立ち上がり、声の主を振り返ったとき、

「嘘っ」

口から漏れてしまった。


なぜ、どうして・・・