4年ぶりに実家に戻った。

とは言っても、生活自体に変化はない。

唯一違うのは向かいの部屋にあいつがいることだけ。



「哲翔」

手を振って駆け寄ってくる咲良。

「ああ」

右手を挙げて答えてみた。


「久しぶりね」

「そうだな」


あいつとの縁談が持ち上がって以来だから、待ち合わせて会うのは約2ヶ月ぶりだろうか。


今日は親しい友人達との飲み会。

小学校以来の幼なじみが数人集まる予定になっている。


「じゃあ、行きましょう」

「ああ」