「まぁ・・正直驚いてますよ。

うちの上司から“本庁からの応援が来る”って聞かされて。」


「皆机にかじりついてるようだけど、
もう捜査はしてないんですか?」


「ええ。丸井シゲルは“自殺”と断定されましたから。

幸い新しい事件も起きていないので、

こうやって冷房効いた部屋でのんびりやらさせてもらってますよ。」


「1人の捜査員は“他殺”と考えていると聞いてますけど・・?」


「えぇ・・まぁ。」


「その人はどこに?」


「今日も聞き込みに走ってますよ。

丸井が勤めていたナカサキ総合高校。

住んでいたアパートの住人。
周辺の飲食店や居酒屋。

丸井に恨みを持っていそうな人物がいないかずっと探し回ってます。」


「・・・・・1人で?」


「はい。」


「他の事件が無くてああやって机に座ってるなら、手伝ってあげればいいのに。」


「・・・・・・・。」




柿谷主任は俺より先に自分の分の湯飲みへ手を伸ばす。


一口飲んだ後、フゥっと軽く息をついた。