“ガチャリ”


「・・・・・・・・・・・・・。」



扉を開けた瞬間、
多くの視線が一斉にこちらへ集まった。


多くの視線・・・刑事課にはぎっしりと人がいて、

各々パソコンに向かって仕事をしている。


捜査1課ではほとんどありえない光景。


刑事が部署に留まっている・・
外に出払っていないという事は、

この街の治安は安泰しているという何よりの証明だった。







「こんにちは。
刑事課 主任の柿谷です。」


「本庁から来た神野です。」


「ささっ、どうぞこちらへ。」


真面目さと緩さをちょうど半分ずつ持ち合わせていそうな男が俺の元まで来て、

そのまま隣接している部屋へ通された。



「いやぁ~~すみませんね、わざわざこんな所まで警視庁のお方に来て頂いて。」


「・・・・・・。」


「ささっ、どうぞお茶でも飲んでください。」


「・・・・・・。」


「・・どうしました?」


「呼ばれた割りには、
皆俺には無関心みたいですね。」