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「うわぁ~飛び降りてぇ~。」


屋上扉を開けた瞬間に発したチサトの台詞に・・

やはりこの子はキテレツだと実感させられる。

もっとこう・・

女子らしく“☆”が語尾についていそうなテンションの上がり方をしてもいいのに・・。




「水森か。」


「オス!オラ チサト!」



てっきり“何バラしてんだよ”と怒られるかと思ったけど、

荒木は特に何も言ってこなかった。


全くの躊躇なく、自分が食べていたハムカツサンドを早速チサトにあげている。



荒木は良い意味でフラットだった。


口数はそんなに多くないし、
感情の起伏が激しい事も無い。


お互い終始無言でお昼休みを終える事もあった。


でもそこに気まずさは一切無く、

なんというか・・ある意味“悟り”を開いているような男だった。


だから荒木にとっては相手がキテレツのチサトであろうが何も関係ないんだろう。



むしろ、さっきから堂々と胡座をかいて、

純白のパンツが“こんにちは”している状況に対して、

目を逸らす ≦ 光速チラ見

を繰り返す僕のほうがざわついていた。