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『お帰りなさい。
お暑い中大変だったでしょう?』


「1課にいた頃は今の2倍は日焼けしてた。

それより、どうしてエリザベスがあそこにいるって分かったんですか?」


『あの時間の陽当たり状況を考えると、

エリザベスの行動範囲の中で一番日陰が出来る箇所があそこだっただけですよ。』


「太陽の昇る位置でそんな事まで計算できるんですか?」


『地理的プロファイリングの一つです。
宜しかったら今度お教えしましょうか?』


「遠慮しときます。俺は自分の足で見て回る方が性に合うんでね。」




6課に戻り、ヒデさんが注いでくれたポカリスエットで喉を潤す。


この場所に君臨するこのお方は、

重度のパニック障害と闘う・・・現場に一切赴かないという超変わり種の刑事。


その代わり、プロファイリングだの“なんとか学”だのと、

ありとあらゆる知識やデータを駆使して頭の中一つで推理を組み立てる・・

なんとかなんとか・・・・
・・なんとか椅子刑事さん。



現場が全てと考えている俺とは真逆のタイプだが・・

とにかく今はヒデさんと二人、
なんとかかんとか協力し合いながら、


俺がここへ来て間もなく4ヶ月が経とうとしていた。