山ちゃんの号令で会議室から皆が一斉に出て行く。 儂を羽交い締めにしていた柿谷も、 ゆっくりと解放してきた。 「文太さん・・。俺や山里課長だってホントは辛いんですよ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 「でもあなたは歳を取りすぎたっていうのと、財前教授の影を追いすぎた。 ・・・・あ、会計課へ行っても、たまに飲みに誘いますから安心してくださいね。」 柿谷が最後に両肩を揉んで出て行く。 儂一人となった会議室・・ 時計の秒針の音だけがこだました。