正面から相対していた丸井の死体を見回した後、背後へと回る。


シャツ・・・・背広・・・
服装に目立った乱れは無い・・。


・・・・・・・・?



「これ触っても大丈夫か?」


「はい。とりあえず鑑識作業は一通り終えたので。」


柿谷に断りを入れ、真っ直ぐに伸びた仏さんの手を自分の両手で掴む。


爪・・・・・・甲・・・・平・・・
・・防御創は無い・・。


・・・・・・・・?












「柿谷主任!
丸井の照会が終わりました・・って・・

なんで“老害”爺さんもいるんですか!?」


「バカ!声が大きい。

あの人、老眼は進んでるけどまだ地獄耳は衰えてないんだから気をつけろ!!」


「またチンチクリンな事言い出さないといいですけどねぇ~。」


「まぁ・・・どっからどう見ても、
この仏さんは【自殺】だからな・・。

それで?丸井は何者だった?」



「はい。丸井ですが・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・分かった。

じゃあすぐに連絡取って、誰か署まで身元確認に来るよう依頼して。」


「分かりました。」