―――――― 


「キャーーー!!エリザベス~~!
心配したのよも~~~うっ!」


[ニャー!!!]




俺の腕から飼い主の腕へ。

“マダム”という言葉が良く似合う、

香水の匂いがキツキツのその腕に預けられたエリザベス。



[イヤイヤ堪忍してくださいよ刑事さん!
僕は自由になりたいんや!]


という声が聞こえてきそうな視線を俺に送ってくる。



「いいかエリザベス。
もう家出はほどほどにしろよ。」


人差し指でその首元を撫でると[トホホ・・]とも聞こえる鳴き声を微かに漏らした。



「神野さ~~~んどうもありがとうございましたぁ。あの・・その頬・・。」


「かすり傷なので大丈夫です。」


飼い主のマダムが絆創膏を渡してくれたので遠慮なく貰い、

挨拶もそこそこに任務を完了させた。