「丸ちゃんが言ってくれたの。」


「・・・?」


「窪田とジョウがぐるぐる巻きにしてた時・・。」


「・・・・・・・。」


「“痛みを知った分、君はきっと良いお母さんになれるよ”って。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「でも無理だよ・・・。
全部私のせいで・・・。」


「違う。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「いや・・違うというか・・
ごめん・・。」


「私・・・・・
これからどうしたらいいの・・?」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「あ・・ちょ、ちょっと歩かない?」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・行こ。」


「・・・・・うん・・。」





警察の配慮なのか・・
動機に関することは一切伏せられていた。


それでもネットニュースにも大きく取り上げられて、

明日の始業式で校長先生あたりが僕達生徒に向けて説明すると思う。



・・・・・・もう僕達の所に、
警察がくる事は絶対に無い。




“生きなさい”
“幸せを見つけなさい”


僕達は・・丸井先生によって守られた。






いや・・丸井先生だけじゃなくて・・



“いいか窪田、荒木。
おどれ達が・・・・・・・・・”





「チサト・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・・・一緒に探そう・・。
今度は・・・今度は僕が守るから。」



曇天の下、波打ち際に濡れながらいつまでも歩き続けた。


遠くを見つめながら、
明日を見つめながら、


2人で手を繋いで、
この夏を想っていつまでも歩き続けた。





          Summer -未成年-

                終