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すっかり陽が落ちて外は暗くなっていた。
荒木は頭、僕は足のほうを持ちながら、
なんとか誰にも怪しまれずにあの穴の前まで来ることが出来た。
「・・・ハァハァ・・・。」
「ハァハァ・・・。」
「・・・・・。」
休憩する間もなく、木に立てかけておいたスコップを持ってアイツの体を埋めていく。
「あ、そうだ窪田君。
この灰皿も一緒に埋めておいて。」
「ハァハァ・・分かりました・・。」
「おっと!
直接触っちゃダメだよ。慎重にね。」
丸井先生は宣言通り、
何も手伝ってくれなかった。
僕と荒木が一生懸命埋めていくその穴を遠くから見つめ、
時折“頑張れ頑張れ~”と声を掛けてくれるだけだった。
「先生、その縄も埋めとかないと・・?」
「あぁっと、これは後で使うから大丈夫。」
「・・・・よし・・こんな所かな・・。」
最後に凸凹になっていた地面を均して、
何かが埋まっているとは思えないフラットな状態を作り上げた。



