最終章


痛みなら、

少年もありのままを確かに感じてる





窪田 トシヤ
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「・・・・・・エッ・・・・・・。」

“ガチャリ”


「!?・・開けるなよ!!」


覗き穴で外に立っている人間を確認した後、チサトは何故か扉を開けた。


荒木が小声で独り言を漏らした瞬間、
僕は灰皿を手に取っていた。


もしこっちのリビングまで来たら・・
口を封じるしかない・・・。



「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」






「こんばんは。突然ごめんね。」


「「・・・・・!?」」


あれは・・・?


「丸ちゃん・・。」


リビングの隙間から玄関を見る。


チサトの前に立っていたのは・・
ここを訪れたのは丸井先生だった。


まさかの顔見知りの登場に、
より一層緊張が増す。


灰皿を握った手に更に力が入って、
引き続き荒木と息を殺す。