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“三井産婦人科”の扉を開けると、
病院には似つかわしくない装飾で彩られる玄関が俺を出迎えた。
「・・警察の方ですか?」
「はい。よく分かりましたね。
三井院長はいますか?」
「・・チッ・・少々お待ち下さい。」
受付に座っていた、“ギャル”という言葉が似つかわしい派手な見た目の女性が、
堂々と俺の目の前で舌打ちした後、
かったるそうに内線電話をかけた。
「・・診察室どうぞ。」
「・・・・・・・。」
「・・突き当たりを左。」
「佐倉トシヤさん、殺されたよ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・あっそう。」
「・・・・・・・・・・・・。」
受付ギャルに教えてもらった通りに廊下を進み、診察室へと入った。



