病院の場所を教えてもらってから、紙コップをゴミ箱に捨ててナカサキ署を出る。
『神野くん。』
「はい。」
『恐れ入りますが一度ホテルへ戻って頂けますか?』
「どうして?」
『もし水森さんの妊娠中絶をその病院が行っていたにもかかわらず、
生活安全課の聞き込みに対して嘘の証言をしたんだとしたら・・
そこの院長は相当な極悪人です。』
「・・・・・・・・・。」
『神野くんの尋問に対しても、
しらばっくれる可能性は高いでしょう。』
「もしかして・・・・?」
『探偵七つ道具は持って行ってますよね?』
「あれ使わせるつもりですか!?」
『柏原ミキヒコを追い詰めた時の迫力でお願いしますよ。』
「・・・ちょっと待った。
あくまで“怪しい”と思ったらですよ?」
『勿論です。今現在の事実としては“水森さんが嘘をついた”ですから。
ここは現場の君に一任します。
その場の雰囲気を感じ取り、
“病院側が嘘をついている”
と判断したらやっちゃってください。』
「問題になったらあんたが責任取って下さいよ。」



