「チサトの付き添いで来た男子生徒2人が、
改めてここへ抗議に乗り込んできたのが気になるわい。」
「え~っと・・窪田トシヤ君と荒木ジョウ君だったか。」
「それに、中絶手術をした病院の名前まで具体的にあげて・・
子供のイタズラにしては手が込みすぎじゃ。」
「佐倉は本当にチサトに性的暴行を働いてた・・ってあんたは思ってるのか?」
「身内を疑うのは儂も辛いが・・生活安全課の捜査は果たして徹底的に行われたのか?
あいつらの報告を聞いてると、
関係者への聞き込みだけで済ましたように思えてしょうがない。」
「まぁもし佐倉のアリバイを証明した同僚だけでなく、
チサトが中絶した病院までもがグルになって口裏合わされたんだったら、
事実はまるで違ってくるからな。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・じゃあジジイ、
それはヨソ者の俺がやるよ。」
「・・ええんか?」
「“文太が再捜査をしている”
なんて生活安全課の連中が知ったら、
“俺達の事を信用してないのか”
って良い気分にはならないだろうな。
とりあえず病院に行ってもう1度話聞いてくるよ。」
「分かった。じゃあ儂はチサトと会って話を聞いてくる。
おどれの言う通り、
丸井にこの話をしたんだったらそれが佐倉殺害動機に繋がったのかもしれん。」



