『神野くん、続きいいですか?』
「・・まだあるんですか?」
『第五に、どうしてわざわざ着替えて清潔にしてからまた現場に戻ったのか、です。』
「・・・?
なんで“着替えた”って分かるんですか?」
『岡本捜査官が再三にわたって私達に熱弁してくれたじゃないですか。
丸井氏の身なり、
指先が“綺麗”だったと。
人を殺めて穴に埋める作業をしたのなら、
シャツは汗だくになり、手には土が付着していてもおかしくありません。』
「なのにそういった形跡は無かった・・。
・・一度家に帰り、シャワーを浴びて着替えた以外に辻褄は合わない・・?」
『せっかく自宅に戻ったのなら、
そこで首を吊れば良かったのに・・
と考えてしまいます。』
「ヒデさんもたまに残酷なこと言いますね・・。」
『すみません、気をつけます。』
「でも確かにそう考えると、
丸井の行動には不可解さがありすぎる。」
『矛盾が詰まると動悸が激しくなってしまう・・私の症状の一つです。』



