第9章






神野シン
********************************************


刑事にとってはよくある光景かもしれないが、俺にとっては久し振りのものだった。


ナカサキ署の会議室に続々と集まる捜査員。

ホワイトボードに貼られる数々の写真。


6課に来てからもたまにやっていたけどいつも2人きり。


「起立!!」


久し振りに体感する捜査会議に、
不謹慎にも俺の気持ちは高ぶっていた。




「被害者の身元が判明しました。

名前は【佐倉トシヤ】46歳。
釜元合成に勤める会社員です。

2日前から捜索願が出されていました。」


森テ乃公園から続く登山道。

丸井シゲルが首を吊ったあの場所から見つかった男の死体。


鑑識作業の邪魔にならないよう俺もじっくり見ていたが、かなり背が大きな男だった。

恐らく身長としてはヒデさんとそこまで変わらないだろう。