陽が落ちる前に、
僕達は先に森テ乃公園へ向かった。
アイツを殺した後、
速やかに事を済ませられるよう・・
畑仕事用の大きなスコップを持って。
森テ乃公園から続く、
ハイキングとして使われる登山道。
そこから外れた先に、
目印に出来る大きな木を見つけた。
「ここに埋めよう。」
「うん。」
荒木と2人、
汗だくになって土を掻き出す。
深く、深く、深く。
“もういいだろう”と荒木が言っても、
僕は手を止めようとしなかった。
全てをこの中に閉じ込める。
全てをここに葬り去る。
アイツを埋めて余りあるほどの穴が出来上がってから、僕達はチサトの家へと向かった。