「母親はスナックだっけか。」


「うん。」


「じゃあ夜になったら・・・
中途半端な時間・・20時ぐらいだ。」


「いや・・待てないよ・・・。」


「・・・?」


「こうしてる間にも、チサトはアイツに乱暴されてるかもしれないんだよ!?」


「落ち着けって・・・分かった、
じゃあ陽が落ちたらすぐに行こう。」





鏡で自分の顔を見たら、“目が血走っている”という表現が当てはまる顔をしていた。



チサトを絶対に救い出す。

・・・本当のチサトを返せ・・!

僕が・・・絶対に助ける・・・。

・・・・!!




「・・田、窪田。」


「・・・・・・・・。」


「大丈夫か?」


「・・うん・・・。」


「アイツ、ただでかいだけじゃ無いと思う。

離れに最初来た時、

中に入れまいとちょっと小競り合いになったけど・・アイツ相当な力だった。」


「・・・・・・・・。」


「気悪くするなよ?
お前じゃ絶対に勝てない。」


「・・・・・・。」


「俺でも多分正面からいったら負ける。」


「・・・・・・・。」


「だけど2人掛かりだったら勝てる。

一斉に飛びかかって、
この縄を首にかけて・・

両方向から一気に引っ張る。
・・・分かったか?」


「・・・・分かった・・・。」