第8章


怒りと憎しみの切っ先をはらい

血で濡らし辿り着いた少女はもう
こわされた魂で微笑んだ





窪田 トシヤ
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「爺ちゃんから昔聞いたことがある。

“死体さえ見つからなければ警察は何も動けない”

だからアイツを殺した後は、
どこかに隠そう。」


「どうやって運ぶ?」


「堂々としてた方が逆に怪しくないと思う。

茣蓙でグルグル巻きにして、
俺達は麦わら帽子でもかぶって、

畑仕事の帰りだと思わせよう。」


「2人で運ぶにもアイツ重たそうだから・・

なるべくチサトの家に近いところがいいよね・・?」



「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・あそこしか無いな。」


「・・・森テ乃公園・・。」



荒木の家に戻った僕達は、
離れにあった様々な道具を一緒に纏める。


綱引きにでも使えそうな立派な縄。


180㎝の人間でも覆うことが出来そうな立派な茣蓙。


この離れには様々な物が置いてあった。


本来の使い方とはかけ離れるけど、それは殺人という用途でも使える物ばかりだった。