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「一体どういう事なんですか!?」
生活安全課に駆け込んだ僕達の前に、
この前応対してくれた木下さんが現れる。
だけど僕達の姿を見た木下さんは、
途端に眉間へシワを寄せてきた。
「どういう事なのかって・・・
こっちが聞きたいよ君たち。」
「何が!?」
「その日のうちに私と栗田の方で佐倉さんへ事情聴取に行った。
だけど水森チサトさんが暴行を受けたと訴える日・時間。
佐倉さんは残業で会社から出ていなかったり、同僚と飲みに行ったりと、
全てに証言付きのアリバイがあった。
極めつけは・・
彼女が妊娠中絶をしたと言うクリニック。
院長や看護師を訪ねたけど、
“こんな子は知らない”と言われたよ。
一応カルテを確認して貰ったけど、
水森さんの往診歴は無かった。」
「・・・・・・・・・・・。」



