Summer -未成年-



「チサトちゃん。
お母さんが心配してるので帰りましょう。」


「・・・・・・・・・・ハイ・・・・。」



!?

「ダメだ・・・行っちゃダメだチサト!!」


「・・・・・・・・・・。」


チサトが無言で立ち上がる。


まるで操り人形のように、チサトから一気に“無”の感情が溢れ出したのを感じた。


「荒木・・!」
「・・・・・・・・。」



どうして・・・?どうしてこうなる?
警察は・・どうして!!?




「さぁチサトちゃん。お二人にご挨拶を。」

「・・・窪田、ジョウ。
ありがとう。お世話になりました。」



「待・・!」

力尽くでチサトを引っ張ろうとするけど、
それを荒木が止めた。


どうして止めるんだと目で訴えたけど、

ここで暴力沙汰を起こしたら途端に僕達が悪者になる。


そう訴え返してくれた荒木と共に、
ナカサキ警察署へ走った。