「生活安全課の栗田です。」
「・・同じく木下です。」
ナカサキ署に着いて、受付のような所で荒木と僕から簡単に事情を説明したら、
“生活安全課”
という場所に行くよう言われた。
当たり前だけど警察官の格好をした人達が大勢ガヤガヤした雰囲気の中、
ソファに座って待っていると男女2人が来てくれる。
「・・・じゃあ水森さん。
あっちで2人きりで話そっか。
詳しく教えてくれるかな。」
改めてその人達へ事情を説明した後、
“大人の気遣い”を実感した。
チサトもこわばった表情を浮かべていたからなのかもしれないけど、
生活安全課の女性がチサトを伴ってまた別の部屋へ入っていく。
男には話しづらい内容なのは間違いない。
僕だって知識があるわけじゃないけど、
こういう事は女性同士の方がチサトも話しやすいと思ったのかもしれない。