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「・・・・行きたくない。」
「「・・・・・・・・・。」」
「・・・・・・・・。」
「ダメだ。俺達も付いていくから。」
「そ、そうだよ。警察の人に言ってそいつを逮捕してもらおうよ。」
「・・・・・・・それよりさ!
3人で川行こうよ!
川原でバーベキューしてさ!
夏っぽいだろ?」
「何言ってるんだよ。」
「・・・・・・。」
「昨夜の事は冗談だよ!
凄かっただろ私の迫真の演技。
君たちにちょっとしたドッキリ仕掛けたんだぜぃ。」
本当に昨夜の出来事が嘘だったかのように、
目覚めたチサトは、
またいつものチサトに戻っていた。
それが何故か・・とても哀しかった。
本気で屋上から飛び降りようとするドッキリなんて聞いたことが無い。
どこからどう見ても“強がっている”。
その後も、警察へ行く・行かないの押し問答が続き、なかなかこの場から動けない。
「チサト。俺達に迷惑掛けたくないって思ってるなら大間違いだぞ。
このままお前が独りで抱え込んでまた傷つくほうが迷惑だ。」
だけど最後は荒木のこの言葉で、
チサトがまた本音の顔に戻ってくれた。