荒木との情報差を埋めた所で、
再び肌を覆ったチサトがポツリポツリと話し始めてくれた。
母親の彼氏。
男にだらしない母親に1年前から出来た新しい彼氏。
だらしない母親が初めて家に連れてきた・・“まともな男”。
一流企業で働く、生活面の援助もしてくれた・・父親になるかもしれない男。
傍から見れば文句の付けようのない、“良い人”。
「でも・・お母さんが仕事に出掛けると・・お母さんに内緒でウチに来る・・。」
「「・・・・・・・。」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・ずっと・・そいつに乱暴され続けてたのか?」
「どうして・・・?
お母さんには言わなかったの?」
「・・我慢すれば・・いいんだよ・・。
お母さんがアイツと一緒にいて・・・
あんなに幸せそうな顔するの見たの・・初めてだったから・・。」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
「・・・・・・・・・・・・。」
「「・・・・・・・・・・・・。」」
「でも・・もうダメ・・・。
私・・人殺しになっちゃったから・・。」



