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「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・。」
「・・。」
“僕がチサトにフラれて、
思わず彼女を突き飛ばしたけど、
やっぱり速攻後悔して落ちていくその体を掴んだ”
と勘違いする荒木の誤解をといている間、
ずっとチサトは泣いていた。
当たり前だけど、
こんなチサトを見たのは初めてだった。
もうそこには“キテレツ”でも“ぶっ飛んでいる”でも無い・・
弱く・・何かに傷ついた一人の女の子がいた。
「で?なんでこんなバカな真似した?」
しばらく続いた沈黙を荒木が破ってくれた。
何て声を掛ければいいか全く言葉が出てこなかった僕と違って、
やっぱり荒木は頼れる男だと改めて実感する。



