Summer -未成年-



―――――― 


「荒木ジョウです。

中学では無理矢理バレー部に入れられましたが高校では帰宅部になるつもりです。よろしく。」




ただただひたすら、

校長先生を初めとする色んな人の長話を聞く入学式を終えて教室に戻った後、

担任の先生の提案でクラス全員の自己紹介が始まった。


出席番号1番の荒木が、トップバッターにしては中身の無さ過ぎる爪痕を残して席へと戻る。



この時の僕は、“自分は何を言おう”・・なんて悩んでいる場合では無かった。


僕も含め、全てが前座と言っても過言では無い。



二目も三目も四目も。

やっぱり眼帯のあの子は可愛かった。


体育館へ移動する間も、
終わってまた教室に戻る時も、

あの子はブレザーのポケットに両手突っ込んで、

1人で歩いていたのである意味目立っていた。

それを無意識に目で追ってしまったのは言うまでも無い。



とりあえず・・名前がこの機会で分かる。


この自己紹介で・・彼女のパーソナル情報を頭の中へインプットしなければ・・。