「うわぁ〜…。緊張する〜!」

私は何度も深呼吸を繰り返しながら、目の前にある建物を見つめました。

私の通う学校では、三年生になると福祉を学んでいる生徒は施設へ実習に行かなければなりません。高齢者施設が十日間、障害者施設が五日間あります。

四月、三年生になってまだ二週間ほどしか経っていないというのに、私たちはそれぞれ自分たちの選んだ実習先で勉強します。

私が選んだのは、介護老人保健施設です。「老人ホーム」と言いますが、その「老人ホーム」には二つ種類があります。

一つは、介護老人保健施設。そして、特別養護老人ホーム(別名、介護老人福祉施設)です。この二つの違いは、看護師や医師の数、そして入所する際にかかる金額です。

介護老人保健施設の方が、医師などの数は多いのですが、入所する際にかかるお金は高めです。このことは、学校の福祉の授業で勉強しました。

さて、話を戻しましょう。私は今、一緒に実習に行く友達と一緒に施設の前にいます。