ソルトであっても常々そう思っているのだからこの魔女の疑念も当然。
俺とあいつがなんなのか?
そうさな……
「……はっ……腐れ……縁」
「………は?」
俺の運の尽きは、
「すげえ…面倒くせぇ好敵手」
きっと、六花を見つけた時。
その時からずっと、
「俺の獲物で…」
今は……
「俺の……最高の女」
最愛の…。
「あなた……やっぱりおかしいわ」
「ククッ……俺もそう思うよ…」
「でも……益々惜しい。魔女を理解して愛せる人間なんて」
神父としての……人としての感覚としては異端。
それでも魔女からすれば自分を忌み嫌い拒絶をしない希少価値と言える存在。
更には魔の気を持ち合わせているときているのだ。
手を伸ばさずにおく訳がなく、まさに欲しいとばかりにその手がソルトに伸ばされたのだが。
「……やめとけ、」
「何?今更恐い?」
「いや……俺に手だしたら痛い目みるぞ……って忠告だ」
「……フッ…もしかしてあの魔女の子の事を言ってる?安心して、邪魔なんて入らない。あなたを捕らえた後このビルを覆う瘴気の毒性を高めておいたの。あなたを助けようと勇んで飛び込んだところで辿り着くのは黄泉の国くらい。…ああ、もしかしたら今頃もう着いてる頃かも」
「……フッ……それか、手に負えないってあの世から追い返されてる頃かもなあ、」
「……そうまで言う根拠は?」
「………言ってなかったか?あいつは……型破りだって、」
「っ…!?」
魔女の余裕の笑みなんてなんのその。
逆に嘲笑うように弾かれたのは六花への絶対的な信頼。
根拠なんて物はない。
それでも、言った傍から一瞬で掻き消えた瘴気が良い証拠。



