『そうそう、その魔女の特徴なんだけどさぁ。黒髪青眼小柄って事らしいんだけど』
「……へっ?く、黒髪青眼小柄の……魔女……って」
ソルトの複雑な葛藤なんてお構いなし、耳に流れ込んでくるのは業務報告の内容ではあるのだが。
どうにも覚えのある特徴に、思わず復唱しながら視線は隣へ。
同時にソルトの復唱を耳にしていた六花も「ん?」なんて小首を傾げて反応しつつも、「違う違う」と否定を示して軽く手を振っている。
勿論、今のこの瞬間まで行動を共にしていたソルトが六花が犯人だなんて疑うはずもないのだが。
電話の向こうからは、
『因みに、俺の愛しの六花ちゃんはそこにいる〜?』
「誰の何だっつった!?ああっ!?六花は俺のだ!!」
「っ…ヤダ、ソルトってばこんな街中の公衆の面前でそんな大声で…公開プレイ」
「お前はいちいち大袈裟に話を変態に持ってくな!ボケッ!!」
『いいねぇ、揺るぎなくリッカへの一筋バカ具合〜。超美味そ』
「てめぇはぁぁぁ、そんなくだらない事言ってる間に魔女狩りに行けんだろうが!!」
『あはは、そっくりそのままお返しするよ。さっさと魔女狩りに動いてくれないかなぁ?リッカ神父』
「っ~~ああっもうっ!!行けばいいんだろうがっ、行けば!!」
何をどう抗おうが【行く】しか選択肢がないことくらい分かってるよ!!



