何でだ?
俺が普段何かしましたかね?神様。
いや、信仰心なんてくそもない癖にこんな時ばっか神様を引き出すのも如何なものかとは思うけどさ。
それでも普段から勤勉に働いてんじゃん!!
むっちゃ仕事頑張ってるじゃん!?
なのに、たまにまともに休暇をとってみればオチがこれってどうなんだよ神様!?
と、ソルトが現実逃避をしたところでやはり状況が変わるでもなし。
寧ろだ、鋭い嗅覚で察知する魔女の気配はソルトにとっては都合悪くどんどんとこちらに向かってくるし。
蓮華が言う様に蓮華が今から出向くよりも自分が動いた方が確実に早い。
仕事柄普段着でも愛用の銃は持ち合わせているし。
いつもであるなら『わかった』と一つ返事で動く事態であるのだが、今日という日ばかりは流石に心が渋ってしまう。
何でよりによって…。
そんな葛藤に苛まれながら視線を動かした先はすぐ隣でフラペチーノを呑気に飲んでいる六花の姿。
きっと今もソルトの通話が終わるのを大人しく待ってくれているのだ。
それが分かっているからこそ『ちょっと仕事に』なんて簡単には言い出しにくい。
六花がこの日を楽しみにしていたのはよく分かる。
ソルト自身も勿論楽しみであったし、不安や戸惑いはあれど六花に尽くして楽しませてやろうと思っていたのだ。
それなのに…。



