神父業は基本年中無休の職業なのだが、それでも一応休日休暇という物がある。
休みを取りたい日には自分の代理となる神父を立てればいいのだが、まさにソルトが今日という休暇に代理として申請したのが蓮華なのだ。
その蓮華からの連絡ときて、しかも間近に感じる魔女の気配とくれば…。
嫌な予感しか浮かばないのは当然である。
かと言って一応仕事絡みの連絡である事は必至。
となれば、いくら嫌な予感しかしないといえど無視を決め込むわけにはいかず。
「……っ…はい、」
『あ、リッカ~?初デートの守備はどう~?』
「てめえからの電話が来るまでは大幅上々と言えただろうなぁ」
『あはは~、そんなリッカに朗報です』
「訃報の間違いじゃねえのか!?」
『訂正、仕事馬鹿のリッカに朗報です』
「訃報じゃねえかこん畜生!!何のための代理だこらぁっ!!」
『いやぁ、俺が今から駆け付けるよりリッカが今居る位置の方が近いんだもんGPSで見る感じには。それに、…もうどうせリッカの鋭い嗅覚は魔女の匂いを捉えてるんでしょ?』
「っ~~~」
案の定じゃねえか!!と、どんなに嘆こうが突きつけられた無情さには影響など微塵も与えない。
今も器械越しにクスクスと笑う蓮華の憎たらしい事と言ったら。
更には『ご愁傷様~』なんてソルトの不運を嘲て煽ってくる始末。



