Love EaterⅡ



昔よりはもう少し解明されるものかと思っていたのに。

「確か……気が付いたらもうその意識に出来上がってたって言ってたな。なんていうか大人びた思考の」

「うん、成長してこうなったって感覚はないかな。人って普通は体や脳が成長していく過程で人格なんかが形成される物でしょ?僕はどっちかと言えば体の成長の方が出来上がってる基盤の知識や意識に追い付いたって感じ?」

「出来上がってる基盤。……つまりそれって」

「この基盤のオリジナルに当たる人間がいるってことだろうねえ。多分そのオリジナルの人が『僕』って一人称だったんじゃないかな」

「お前……サラッと言ってるけど物凄く深い話じゃねえか?」

「いや、そう言われてもねえ。だからって今まで生きてきて僕を探したり追いかけようとしてくる人間もいなかったし。……ぶっちゃけ自分が何者かなんてまるで興味なかったわ」

「楽観的っつーか何て言うのか…」

「あ、そっか!もしかして僕ってクローンってやつじゃない!」

「お前っ…そういう発言を声高らかに言うんじゃねえよ」

普通であるなら自分がクローンかもしれないなんて疑惑は悲壮の一つもあっていい筈であると思うのに。

六花と言えばまったく気に病む様子もなく『それだ!』と妙にスッキリとした良い表情まで見せてくる始末。