本当、こうしてると只の普通の女の子ってやつなのにな。
その辺を歩く若い女子となんら変わらない。
今だってこうしてただ歩くだけであるなら誰も六花が魔女だなんて疑わない。
まあ、それでも服装ばかりは今時ファッションとは異なった黒尽くしではあるのだが。
それでも人目を引くほどゴシックとも言えないし、目立つと言っても服装云々ではなく六花の容姿そのものがなのだ。
寧ろ黒い服は六花の白い肌を際立たせて美しく映えさせる。
幼さが減少している今日の姿ではまた更に。
「……そういや、」
「えっ?」
「何で今日はその大人スタイルなんだ?」
「ソルトの為?だっていつもの僕じゃ流石に年齢差浮き彫りでデートに差支えるかなって思って。ソルトの事だし補導されたらどうしようとか悩むんじゃないかなって」
「……お前、案外理性的な思考も持ち合わせてるよな」
「僕が馬鹿になってるのはソルトに対する恋愛感情面だけだからね」
「っ……」
「今僕の事クソ可愛いって思ってたでしょ」
「っ~~思ってた」
「そんなソルトが僕はクソ可愛いと思ったよ」
今の今まで手繋いだだけで真っ赤だった癖に。
今だってその名残に頬の上は色づいてる癖に。
なんか…負けてないか俺?



