改めて…厄介な関係である。
そんな事を些細な事で度々思い知っては溜め息が漏れる。
好き合っていても思うままに進まぬ関係は酷くもどかしく面倒とまで思う。
それでも手放すなんて選択肢などすでにないのが一番の厄介な悩みどころ。
だったら、折り合いをつけながらのんびりと打開策を探しながら寄り添うしかない。
面倒くせぇ。
そんな結論で締めてはみても浮かぶのは苦悩というより苦笑い。
仕方ないと再びの息を吐けば、何のため息なのかと六花が疑問の眼差しを向けながら小首を傾げて見上げてくる。
不安や懸念はぬぐいきれない。
それでも……なるようにしかならねえよな。
「行くぞ」
「っ……」
意を決したように再び手を伸ばすと六花の手を絡めとる。
再び六花が火が付いたように真っ赤になり熱を帯びたのは視覚で捉えずとも掌を伝わってよく分かる。
それでも今度は引き止められるような事はなく、コツコツと靴音を響かせながら隣を並び歩いて来る。
それでも盗み見た姿は相変わらずの湯でタコ状態。
いつもはキャンキャンと煩いくらいの口元が面白いくらいに緊張してキュッと閉じられているのもまた愛らしい。



