散々セクハラ紛いな発言をするくせにどうしてか行動面が比例しないのが六花。
それこそ恋する少女の先走りというのか。
願望は大きいのだがそれを実際にされるとキャパオーバーでこの通り。
だから六花の発言を鵜呑みにして油断していれば思わぬ形でソルトも被爆してしまうのだ。
それを改めて体感したような時間。
なんとか欲求に打ち勝ったらしいソルトがそれでも口元をヒクつかせながら六花に向き直るとようやく。
「っ……いや、……生物学上手繋いだくらいじゃ妊娠はしねえから」
「っ…嘘だ」
「嘘じゃねえよ。アホか」
「うううっ…だって熱いもん」
「それはアレだ……単に羞恥心とか…欲じょ…」
「お腹…熱いもん」
「っ……」
咄嗟に繋いでいた手を離してしまったのはソルトの方。
逆上せ上がっていた思考にも一気に冷静が流れこんで、心音も変に強く反響して冷や汗が滲むほど。
「……ソルト?」
生物学上は…妊娠するはずがない。
でも…魔女は?
それに対する俺は魔混じりだ。
本当にしないと言い切れるのか?
そんな不安が六花の一言で一気に浮上してソルトの思考を占領したのだ。
当然、そんな不安を知る由もない六花と言えば突如離された手とソルトの真顔にはきょとんと呆けるばかり。



